たおるに包んだ浅学非才.

拙い文を書きます。

藍色の月

「子供はいいよな、遊んでるだけで。」

 

大人達が吐く様に言う。

 

勉強を辞めたい。

お酒を飲みたい。

上京して一人暮らしをしたい。

支配されるのが嫌。

自由になりたい…

 

 

経験したはず。同じ時代を。

忘れてしまうのは大人の都合。

 

子供は親を選べない。親も子供を選べない。

 

私は子供。だけどいつかは大人。

 

大人はもう笑わないのかな…  

刹那

「バイバイ。また明日ね。」毎日君が当たり前に口にする。明日は必ずやって来る。でも明日僕達の時間だけが止まってしまうかも知れない。神様も待って居てくれないのも分かっている。然し、あと一歩の所で足が動かない。今日も駄目か。また明日…そして今日も夕日に溶けてく君の後ろ姿をただ眺める。

 

#140字小説

哀しみの不条理

君の見ている景色を見ていたい。一緒に側に寄り添って歩んで行きたい。何があっても僕が盾になり守る。君の為に出来ることは幾つあるかな…どれだけ僕が願っても君は幸せになれない。君の心に僕の存在は無い。何をしても僕の声は届かない。ただ遠くで姿を眺める。彼女の流す涙の理由を僕は知らない…

 

#140字小説

モノトーン

単調な日々。

 

起きて慌しく家を出て

学校に行き授業を受けて

キツい部活に耐えて

家に帰り夜になったら寝る

 

 幾ら読み進めても同じ話。不服過ぎる。300円で売っていたとしても、誰も買わないであろうつまらない人生。

 

 授業は先生の声が右耳から入り左耳から流れて出ていくだけ。今の席はラッキーなことに窓際だからぼーっと窓の外の景色を眺めてる。勉強は何の為にしなくてはいけないのか。将来の夢?なりたい職業?そんなの更々ない。

 休み時間になると必ず集まり仲良く喋っている女子。その癖、裏では不満を持っていて他の子に愚痴る。友達とは同等の相手として交わっている人であってめんどくさいものでは無い筈だ。常に顔色を伺って円からはみ出さないよう、自分を殺し周りに合わせる。そんな上辺だけの関係を築いて何になる。

 

 

 この平凡すぎる私の人生と言う本に刺激的なページを入れてはくれないか。願った所で勿論変わる訳が無い。何の為に生きるのだろう。憂いながら僕は次のページを捲る…

ユーフォリア

 

『ただいま…』

 

 姿が見えなくても、声だけで疲労困憊なのが分かった。乃木坂46知名度も人気も飛ぶ鳥を落とす勢い。あ、飛鳥は鳥だった。うなぎ登りと言っておこう。そんな国民的アイドルグループの中でも個人の仕事も多く最もスケジュールがキツキツで、曜日感覚が無くなる程の多事多端だった。ゆっくり部屋に入ってきた華奢な体は疾うに限界を越え、足元も覚束無い。私は見るに耐えられず、今にも倒れてしまいそうな彼女を抱き抱えた。飛鳥の為なら腰なんてどうってことない。

 

『大丈夫…』

 

 口では言うものの飛鳥の身体にはもう抵抗する力なんて残っていなくて、私に体を預けてきた。そのまま寝室に移動し優しくベットに寝かせ、私はベットサイドに腰を下ろした。それでも尚、何か口にしようとした飛鳥の瞳を手で優しく覆い頭を撫でる。

 

「お疲れ様。」

 

 一言声をかけると、私のベットに置いていた手を握ってきた。急に可愛いことするものだから、ニヤけそうになってしまった。 最近の飛鳥は同期のメンバーが卒業していく中、自分が頑張らなければと少し気負い過ぎている。ファン想いで仕事に対しても、こなすだけでなくしっかり向き合っているからこそなんだろうけど。7年前とは別人になっちゃって。可愛くきのこの山のチョコ部分だけ食べて、満面の笑みでくれた中学生は一体どこへ行ってしまったんだ。いつの間にか飛鳥は甘えん坊の雛から中心に立ち周りを引っ張る親鳥に成長していた。きっと、楽屋でも疲れや弱音を隠して強がっているんだろうな…だからこそ、せめて私にだけでも弱い部分見せて欲しい。甘えん坊飛鳥ちゃんご無沙汰だよ。私は飛鳥の永遠の嫁だったはずじゃないのかね。そんな事を考えていたら寝息が聞こえてきた。明日は久し振りのオフだから思いっ切り甘やかしてあげよう。

 

美しくも儚い寝顔を私は暫く眺めていた。